
〜小さく始めて、無理なく続けるために〜
「ポイント運用って、ちゃんとやろうと思うと手間がかかりそう…」
この一言が、施策導入の壁になることは少なくありません。
たとえば、来店ごとのポイント付与、イベント時の特別設定、交換対応、失効リマインド、そしてデータの取りまとめと活用まで。
これをすべて社内の限られたリソース、あるいは一人の担当者で行うのは、たしかに難しそうに感じます。
しかし実際には、「すべてを完璧にやろう」とするからこそ、回らなくなってしまうのです。重要なのは、限られた人員でも継続できる設計を最初から意識すること。
今回は、そのための“現実的な運用設計”について考えてみます。
判断と実行を分離する
第一に大切なのは、判断と実行の分離です。たとえば、次回来店の動機づけとして「100pt以上保有者に限定特典を配布する」という方針が決まったとします。
ここでやりがちなのは、毎回CSVで抽出し、手動で対象者を選び、配信文を個別に用意して…といった手作業のループ。これでは工数が膨らむばかりです。
ここで活きるのが、CRMやMA(マーケティングオートメーション)との連携です。
たとえば、Zoho CRMと連携していれば、「現在のポイント残高」「前回の来店日」などを条件にして、対象者を自動で抽出、決められたテンプレートで自動通知が可能になります。
つまり「誰に何をするか」を決めるのは人間の仕事で、「実行する」のはツールの仕事。
この役割分担を明確にすることで、担当者は考えることに集中でき、運用の負担は一気に軽減されます。
“型”を持つことで、回る仕組みになる
次に意識したいのは、繰り返し可能な“型”を持つことです。
たとえば、「月初にリセットされるポイントミッション」「誕生月限定の特典付与」「1日1回の抽選チャンス」など、時期や頻度に応じてテンプレート化された仕組みを事前に用意しておけば、運用時に毎回迷う必要がなくなります。
この“型化”の中で、特に重要なのは、「反応が読める仕組み」にしておくこと。
Point Hubのようにポイント利用や交換状況を数値で確認できる仕組みがあると、改善のヒントが自然と浮かんできます。
スモールスタートでも成果は出せる
さらに、スモールスタートでも価値が出る構成にすることも大切です。
たとえば、最初は「紙の会員証をポイントアプリに切り替える」だけでも構いません。あるいは、「店舗とECで貯めたポイントが合算されるようにする」といった施策から始めてもいい。
このように、“まず1チャネルのつながり”を整えることが、仕組みとしてのOMOの第一歩になります。
Point Hubは、そうした段階的な導入を想定した設計になっています。
月額課金のサブスクリプション型で、必要な機能や連携先を少しずつ増やしていくことができるので、体制や予算の大小にかかわらず、まず“今できること”から始めることができます。
現実を見据えた「しかけ」が、継続を生む
理想をいえば、ポイント運用にマーケティング専任担当がいて、分析も施策設計も全部できればベストです。
でも現実は、そうはいきません。だからこそ、人手に依存しない仕組みを整えておくことが、継続の鍵になります。
次回は、こうした運用の現場で見えてきたチャネルごとの得意・不得意、LINE、アプリ、EC、CRM、それぞれの限界と、それらを補完し合う「チャネル戦略」について考えてみましょう。