第5回:「貯めて→動く」サイクルを設計するには?  

2025/07/26 1:53

〜“貯めただけ”で終わらせないためのしくみ〜

ポイント制度を導入した企業の多くが、最初に実感する手応えは「お客様が喜んでくれる」というものです。
たしかに、ちょっとしたお得感や、貯まっていく楽しさは、多くの人にとって嬉しい体験です。

でも、時間が経つにつれ、こんな課題も見えてきます。

「ポイントは貯まっているけど、なかなか再来店につながらない」
「特典までの道のりが遠すぎて、お客様のテンションが続かない」
「キャンペーン以外のときは、動きが鈍い」

そう、“貯めた”先の行動が生まれていないのです。


ポイントは「貯めたら終わり」ではなく「次の動機」  

ポイントという仕組みは、本来“つなぐ”ためのものです。
来店と再来店。
購入とレビュー。
店舗とEC。
単発の接点を、連続する関係性へと変えるツールなのです。

では、どうすれば「貯めたあと」に“動いてもらう”サイクルが回るのでしょうか?


行動を促す「サイクル設計」の3ステップ  

1. 次のアクションを“その場”で示す  

ポイントを貯めた瞬間こそ、お客様の関心が最も高いタイミング。

「あと◯ptで交換可能です」
「今週中にもう一度ご来店で特典がもらえます」
など、“次に何をすればいいか”が明確に見える設計が大切です。

2. タイミングを逃さずリマインドする  

「貯めたこと」を忘れられてしまうと、行動のきっかけが消えてしまいます。
有効期限が近づいたタイミング、特典まであと一歩のタイミングで通知を送るなど、“思い出させる仕組み”を用意することが重要です。

3. 行動したことを“ちゃんと覚えている”体験にする  

再来店後、「ポイントが増えた」「特典が届いた」などの変化がわかりやすく示されると、お客様は「自分の行動がちゃんと反映されている」と実感できます。
その体験が、さらに次の行動へとつながる好循環を生みます


Point Hubが支える「接点をまたぐサイクル」  

こうしたサイクル設計をより自然に、現実的に回すためには、チャネルをまたいだ一貫性が欠かせません。
アプリで貯めたポイントが、ECでも使える。
LINEで獲得した特典が、実店舗で消費できる。
このように、お客様がどこにいても“同じ自分”として扱われる体験が、継続的な関係性の前提となります。

Point Hubは、複数のサービスでバラバラに貯められたポイントを、「同期」または「交換」という形で橋渡しし、断片化した行動をつなげる仕組みを提供しています。
その結果、「ここで貯めたポイントが、あっちで使えた」
「別の場でもちゃんと価値があると感じられた」
というような体験が、「次の行動をしたくなる」きっかけになります。


サイクルが回りはじめると、“関係性”が育っていく  

一度きりの来店、一度きりの購入。
そこに終わらせないための“つなぎ”として、ポイントは機能します。
でもそれは、単に「貯めさせる」「使わせる」ではなく、
「動きたくなる」「また関わりたくなる」設計があってこそ。

お客様の中で、
「ここは、自分のことをちゃんと覚えていてくれる」
「ここにいると、ちゃんと得をしている」
そう感じてもらえたとき、ブランドとの関係は習慣へと変わっていきます

次回は、こうして見えてきた顧客の動きから、“心理”や“傾向”をどう読み解くか?
「顧客心理をスコア化する視点」についてお話しします。