
〜“失効”が示す、もうひとつのサイン〜
「気づいたら、ポイントが失効していたんです。」
お客様からそんな声を聞いたことはありませんか?
あるいは、ご自身が経験されたこともあるかもしれません。
ポイントカードやアプリを久しぶりに開いたとき、残っていたはずのポイントが“0”になっている。
「ああ、もったいないな」
そのとき心に浮かぶのは、ほんのわずかな残念さ。そして、どこかブランドへの興味が薄れた自分に気づく瞬間でもあります。
──実はこの“小さな失望”こそが、企業にとって見逃せないサインです。
ポイントの失効とは、単なる「機会損失」ではありません。
それは、お客様との関係性が“止まっていた”という証拠でもあります。
本来、ポイントという仕組みは「次回の行動」を促す役割を担っています。
「また行こう」「また買おう」と思わせる、“理由”を持たせるものです。
それが使われないまま終わるということは、次の行動につながる動機が不足していた、つまり関係が自然にフェードアウトしていたということです。
この背景には、いくつかの構造的な課題があります。
たとえば、
交換のハードルが高すぎる(分かりづらい、必要ポイントが多すぎる)
利用タイミングを知らせていない(失効前に通知がない)
交換先が魅力的でない(限定感や体験価値がない)
こうした設計は、どんなに多くのポイントを付与しても「使いたいと思わせない」結果になりがちです。
つまり、「貯める」体験だけで終わってしまい、その先の“つながる”体験を届けられていないのです。
ここで重要なのは、ポイントの“設計”そのものがコミュニケーションだということ。
「こうしてほしい」「また来てほしい」
その企業の意図や願いは、ポイント設計の中にすべて表れます。
Point Hubでは、こうした失効のリスクを防ぐだけでなく、「次の動き」へと自然につなげるための機能が用意されています。
たとえば、
ポイント残高に応じたリマインド通知
“あと◯◯ptで交換可能”といった視覚的な案内
有効期限が近づいた際の自動メッセージ
CRMと連携した「未使用者フォロー配信」
こうした仕組みを整えることで、「気づいたら失効していた」という状況を防ぎながら、もう一度来店・購入する理由をお客様に届けることができます。
ポイントは、「もらって終わり」ではなく、「使って初めて価値になる」。
そして、“使ってもらえたかどうか”は、そのままお客様との関係性が継続しているかどうかの指標でもあるのです。
次回は、その「関係を続けさせる」ために必要な、「交換設計」についてお話しします。