
〜ポイントは「ゴール」ではなく「次のスタート」〜
「ポイントが貯まっているのに、なんとなく使わずに終わってしまうんです。」
こうした声を拾うたびに思うのは、ポイントを使うという行動には、“きっかけ”が必要だということです。
実は、ただ「貯める」ことよりも、「使わせる」ことの方がずっと難しい。
その一歩をどう促すか。ここにポイント施策の“分かれ道”があります。
たとえば、よくある誤解に「ポイントの価値を上げれば、使ってもらえる」というものがあります。
でも現実には、どんなにお得な交換レートであっても、「交換の手間が面倒」「タイミングが分からない」「欲しい特典がない」といった理由で、行動につながらないケースは少なくありません。
つまり重要なのは、“交換価値”そのものではなく、「使いたくなる動機」をつくることなのです。
では、どうすればポイントを「使いたくなる」のでしょうか?
Point Hubを活用した店舗や企業の取り組みを見ていると、いくつかの共通点が見えてきます。
「行動を引き出す」交換設計の3つの工夫
① 身近さと即時性
たとえば「コンビニ商品との交換」「その場で使えるドリンクチケット」など、交換までの距離が近いことは、非常に大きな要素です。
“すぐに使える”ことで、「せっかくだから使ってみようかな」と気持ちが動きます。
② 体験の価値
最近増えているのが、「イベント参加権」「限定くじへの参加」「スタッフとのツーショット写真」など、モノではなく体験と交換できるポイント施策です。
とくにファン化を目指すブランドでは、「記憶に残る体験」とポイントを結びつけることで、“関係性を深める接点”として活用しています。
③ ゲーム性・ストーリー性
「あと〇ポイントで抽選チャンス!」「1週間以内に〇回来店すると特典グレードアップ」など、ゲームのような要素を加えることで、お客様の行動が継続的になります。
ポイントを“使って終わり”ではなく、“次の行動につながる仕組み”として活用している例です。
こうした工夫の背景には、共通した考え方があります。
それは、ポイントは「ゴール」ではなく「次のスタート」であるということ。
交換して終わりではなく、交換したことで、
「また来たい」「今度はあれを狙おう」「あの人にも教えよう」──
そう思ってもらえる体験を届けることが、本当の意味での“ポイント設計”なのです。
Point Hubでは、こうした体験を支えるために、デジタルギフトとの自動連携や、店舗独自の特典登録、抽選くじ(ガチャ)との交換といった多様な仕組みを用意しています。
お客様ごとに“違う価値”を届ける柔軟性が、次の行動を引き出します。
「使ってくれて終わり」ではなく、「使ってくれたところから、また始まる」。
それが、“ただ貯めるだけ”を超える、ポイントの交換設計です。
次回は、この交換を起点に、どうやって「行動のサイクル」をつくっていくかを考えてみましょう。