
〜一律から脱却し、届けたい人に届く仕組みへ〜
「全員一律で同じポイントをつけているけど、反応がバラバラで…」
そんなお悩み、現場ではよく聞きます。
一見公平でシンプルに見える「一律ポイント施策」。
けれど実際には、エリア・属性・関係性によってお客様の行動や関心は大きく異なります。
今回のテーマは、そうした違いに寄り添う「セグメント別ポイント設計」。
“届けたい人に、届けたい価値”を届けるための工夫について考えてみましょう。
なぜ「一律設計」はもったいないのか?
たとえば同じ「100ポイント進呈」という施策でも
地方の来店頻度が低いお客様にとっては、使える機会が少ない
若年層には響くけれど、シニア層には価値が伝わっていない
ファン歴が長い人にとっては、物足りない
このように、“同じ価値”を届けても、受け取られ方はバラバラです。
むしろ、相手によっては「自分ごとに感じられない」「無関心で終わる」といったケースも珍しくありません。
そこで必要になるのが、「セグメントを分けた設計」です。
エリアごと、属性ごと、関係性ごとに、異なる“動機づけ”を用意することで、ポイントは“もらって終わり”ではなく、“行動を引き出す仕掛け”になります。
️ エリア別でできること
たとえば、地域密着型の小売やサービス業では、店舗ごとに客層や行動特性がまったく異なります。
都心エリアでは「通勤途中の短時間利用」が多い
郊外エリアでは「週末まとめ買い」「ファミリー層」が中心
観光地エリアでは「単発来店」「非会員率が高い」
こうした違いに応じて、
来店時間帯に合わせたポイント倍率の調整
ファミリー向けの特典(グループ利用でボーナス付与)
新規登録者限定のポイントアップ施策
など、地元特性に沿った施策に変えるだけで反応は劇的に変わります。
属性別でできること
性別・年代・購入履歴・利用頻度、こうした“属性”も、設計を分けるうえで重要なヒントになります。
たとえば、
学生層には「紹介でポイントがもらえる」仕組みが響く
主婦層には「来店3回でプレゼント」など習慣化を促す設計が有効
高齢層には「紙との併用」や「交換の簡便さ」がカギ
また、
誕生月にボーナスポイントを贈る
登録後30日以内の初回購入で特典アップ
といったライフサイクルに合わせた特典配分も、関係性の深まりを後押しします。
Point Hub × 既存施策で“使い分け”をなめらかに
Point Hub自体は、属性ごとのポイント発行機能を直接もっているわけではありませんが、
異なるチャネルやツールで実施された施策を「1つの残高」にまとめることができます。
たとえば、
店舗Aでは、ファミリー層向けの来店特典としてポイント付与
店舗Bでは、リピーター向けの特典引換ポイントを提供
LINEキャンペーンでは、10〜20代限定のボーナス施策を実施
こうして得られたポイントがすべて**「共通の価値」として統合される**ことで、
お客様にとっては「どこでも同じ価値がある」という体験が生まれます。
それが、施策の“バラつき”を“つながる体験”に変えるのです。
分けるからこそ、伝わる
すべてのお客様に同じ施策を届けることは、一見平等で効率的です。
でも、伝わらなければ意味がありません。
大事なのは、「この人には、どんな動機が響くか?」という問い。
それに応える形で、ポイントの届け方を調整すること。
その積み重ねが、“自分に合っている”という体験を生み、顧客との距離を縮めていきます。
次回は、こうした施策を実現する際に現場で生じる「運用の負担」
それをどう乗り越え、少人数でも回せる運用の現実解を考えていきます。