第6回(最終回):アプリは誰のためのものか──“顧客体験”から逆算する設計とは

2025/09/03 14:20

ここまでのコラムでは、アプリ活用の必要性やメリット、現場での実践方法についてお話してきました。
最終回となる今回は、少し視点を変えて、「そもそもアプリは誰のためにあるのか?」という原点に立ち返ってみたいと思います。

機能やスペック、連携性ももちろん大切ですが、アプリが日々の中でどう使われ、どんな体験を生み出しているかこそが、導入の成否を分けるポイントです。


アプリの“主役”は企業ではなく、お客様

アプリの導入を検討するとき、つい「管理が楽になる」「データが取れる」といった“事業者側の利点”ばかりが語られがちです。
けれども、そのアプリを毎日手に取るのは“お客様”です。

お客様にとっての使いやすさ、わかりやすさ、うれしさ。
こうした体験の積み重ねが、アプリの継続利用につながり、やがて店舗やブランドへの信頼に結びついていきます。

つまり、アプリ導入とは「業務効率化」だけでなく、「関係づくりの再設計」でもあるのです。


スマホで買い物をする女性


ただ便利なだけでは、もう使われない

アプリが飽和状態の今、ただ便利なだけでは選ばれません。
お客様が「わざわざ入れる」理由、「手元に残す」価値が求められています。

・自分にとって意味のある通知が届く
・誕生日に特別なメッセージが届く
・ポイントが貯まり、来店のきっかけになる
・ふとしたときに店舗の存在を思い出す

こうした体験の一つひとつが、お客様の記憶と感情に残る“接点”となります。
それはまさに、企業やお店とお客様との関係性を少しずつ育てていく「デジタル上の接客」と言えるかもしれません。


ワックアプリがめざす“顧客とともに育つアプリ”

こうした視点から私たちが提供しているのが、「ワックアプリ」です。
このアプリは、単なるツールではなく、「関係を深めるしくみ」として設計されています。

具体的には、

・ポイントや会員証などの基本機能に加え、
・Push通知でお知らせやキャンペーンを即時配信
・誕生日クーポンやイベント告知もカンタン配信
・来店後のスクラッチ抽選でワクワク体験を創出
・ポイントやスタンプで“通う楽しみ”を演出

など、日常の中で自然にアプリを開きたくなるような“顧客起点”の設計を取り入れています。

そして、アプリに蓄積された行動履歴や利用傾向をもとに、顧客ごとに異なるフォローや提案を行うことで、ファン化やリピート率向上を支援します。


“続けてもらえる”ことが、最大の成果

最後に、大切なことを一つだけお伝えさせてください。
アプリ導入において最も重要なのは、「機能が多いこと」でも「導入が早いこと」でもありません。

一番の価値は、お客様にとって“続けたい”と思ってもらえる関係がつくれるかどうか、です。
そのために必要なのは、派手な機能ではなく、日常に寄り添った配慮と体験設計です。

「会員証はアプリで十分」
「次の来店がちょっと楽しみになる」
そんな声が自然と生まれるような仕組みを、無理なくつくること。

その第一歩を、「アプリ」からはじめてみませんか?


全6回にわたってお届けしてきたこのコラムが、皆さまのアプリ導入や顧客接点の見直しに少しでもお役に立てば幸いです。


ワックアプリに関するご相談・ご質問もお気軽にどうぞ。
アプリは、インストールされたその瞬間からが本当のスタートです。
私たちは、そこからの“育て方”を、全力でサポートいたします。


インストールされて終わりにしないアプリ戦略

第1回> 第2回> 第3回> 第4回> 第5回> 第6回>