
LINEの“本当のポテンシャル”を引き出す考え方
「新商品出ました!」「週末はポイント2倍!」
LINE公式アカウントでこうしたメッセージを配信している企業・店舗は少なくありません。
それ自体は決して間違いではありませんが、多くのLINE活用が「一斉配信」だけにとどまっているのも事実です。
つまり、LINEの“本当の可能性”を使い切れていない状態──。
それが、LINE運用が成果につながらない原因のひとつになっているかもしれません。
「とりあえず送る」から脱却できない理由
LINEは便利です。スマホユーザーの大半が使っており、メールよりも開封率が高く、クーポンも画像もサクッと送れる。
しかし実際の現場では、次のような課題が生じがちです:
「送って終わり」になっていて、その後の行動が見えていない
誰がどの配信に反応したかを把握できない
顧客ごとに伝えたいことがあるけれど、全員に同じ内容を送っている
これでは、せっかくLINEが「ID単位でユーザーとつながれる」特性を持っているのに、それを十分に活かしきれていない状況です。
「配信=関係づくり」ではなく、「配信=作業」になっているとしたら、キャンペーンの反応率も頭打ちになっていくでしょう。
LINEには“出し分け”の工夫が必要
LINEは、顧客の行動履歴や属性情報をもとに、メッセージ内容を“出し分け”することができます。
たとえば:
初回来店者には「次回使える特典」を
常連客には「今月の来店回数に応じた抽選」を
来店が遠のいた方には「ご無沙汰していますキャンペーン」を
このように、ユーザーのステータスごとにシナリオを設計していくことで、LINEは“営業ツール”や“育成ツール”としての価値を持ちます。
一方、LINE公式アカウントの標準機能だけでは、こうした柔軟な出し分けには限界があるため、サードパーティツールや外部連携を活用した補完設計が求められます。
顧客と「対話する」LINE活用へ
LINEは、単なる広告配信ツールではありません。
一人ひとりのスマホの中に“お店の窓口”を持てる、非常に価値あるチャネルです。
メールよりも身近にあり
電話よりも手軽で
Webサイトよりも反応が早い
つまり、生活導線の中に自然に入り込めるのが、LINEの強みです。
この特性を活かせば、情報を届けるだけでなく、反応を得て、次のアクションへつなげることもできます。
キャンペーンとは本来、「商品を知ってもらう→興味をもってもらう→購入・来店へつなげる」というストーリーです。
その中でLINEは、“きっかけ”を届けるだけでなく、“関係を深める”役割も担うことができます。
今こそLINEを「戦略的チャネル」に
「とりあえず今週のセール情報を配信する」──
この使い方に限界を感じたら、LINEを「戦略的チャネル」として見直すタイミングかもしれません。
どんな人に
どんなタイミングで
どんな体験を届けたいのか
この3つを明確にするだけでも、LINEの使い方は大きく変わります。
次回は、LINEキャンペーンが「単発で終わってしまう」もうひとつの理由、“設計されていない導線”について解説していきます。