Zoho CRM MCPとは? ③

2026/06/21 1:38

外部サービスともつながるAI基盤の可能性

CRMだけをAI化するのか、会社全体をAI化するのか

Zoho CRM MCPは、「CRMをAIで使うための仕組み」です。

一方、Zoho MCPは、「会社全体をAIで動かすための基盤」とご説明しました。

しかし、「Zoho MCP」という名前から、「Zoho製品同士を連携するための仕組みなのでは?」と思われる方も多いかもしれません。

実際には、その理解だけでは少しもったいないと思っています。

Zoho MCPの本当の可能性は、Zoho製品をつなぐことではありません。

会社全体のシステムをAIでつなぐこと。

これこそが、Zoho MCPの本質だと私たちは考えています。

今回は、Zoho CRM MCPとZoho MCPの技術的な違いや、なぜZoho MCPがこれからの中小企業にとって大きな可能性を持つのかを考えてみたいと思います。


Zoho CRM MCPはなぜ始めやすいのか?

Zoho CRM MCPの大きな特徴は、Zoho CRM専用に事前構築されていることです。

利用対象はZoho CRMに限定されており、AIから分析、検索、更新、設定変更、自動化などを行えるようになっています。

そのため、利用する企業が考えるべきことは比較的シンプルです。

例えば、次のようなことを整理すれば利用を始められます。

・どのユーザーが利用するのか
・どの権限をAIへ与えるのか
・どのような業務で活用するのか

接続先がCRMに限定されているため、利用するサービスの組み合わせを考えたり、複数のシステムを設計したりする必要がありません。

また、Zoho CRMのロールやプロファイル、データ共有設定も活用しやすいため、比較的短時間で導入しやすいことが大きな特徴です。

まずは営業活動をAI化してみたい企業や、AIを試験的に導入してみたい企業にとって、Zoho CRM MCPは非常に始めやすい選択肢と言えるでしょう。


Zoho MCPはもっと自由度が高い

一方、Zoho MCPは複数のZohoサービスを横断して利用することを前提としています。

例えば、営業担当者が受注処理を行った場合、

・CRMで商談を受注へ変更する
・Booksで請求書を作成する
・Cliqで社内通知を行う
・Projectsで案件を作成する

といった一連の業務をAIが支援できる可能性があります。

ここまでは、前回ご紹介した内容です。

しかし、Zoho MCPの可能性はさらに広がります。


実はZoho以外のサービスともつながる

MCP(Model Context Protocol)は、特定の製品に閉じた仕組みではありません。

MCP Serverを介することで、Zoho以外のサービスや社内システムとも連携できる可能性があります。




例えば、次のような構成も考えられます。

・Zoho CRM
・Zoho Books
・LINE
・Microsoft 365
・Google Workspace
・kintone
・基幹システム
・ECサイト
・自社システム

つまり、Zoho MCPは「Zohoを使うためのAI基盤」ではなく、「会社全体のシステムをAIでつなぐための基盤」と考える方が実態に近いでしょう。

私たちは、この点こそがZoho MCPの最も面白い部分だと感じています。


自由度が高い分、設計することも増える

もちろん、自由度が高いことはメリットばかりではありません。

接続できるシステムが増えるということは、設計すべき項目も増えることを意味します。

例えば、次のようなことを検討する必要があります。

・どのシステムを接続するのか
・どのデータをAIへ渡すのか
・誰が利用できるのか
・どこまでAIへ実行権限を与えるのか
・外部サービスとの認証をどうするのか
・AIが実行できる処理をどこまで許可するのか

Zoho CRM MCPが「CRMをAIで使う仕組み」であるのに対し、Zoho MCPは「会社全体のAI基盤を設計する仕組み」と言ってもよいかもしれません。

そのため、システム構成や権限設計、運用ルールまで含めて考える必要があります。


複数の社員で利用する場合はどうなるのか?

ここは、中小企業が導入を検討する上で非常に重要なポイントです。

ChatGPTやClaudeを一人で利用するだけであれば、それほど複雑な設定は必要ありません。

しかし、組織全体で利用する場合は話が変わります。

例えば、次のような考え方が必要になります。

・営業担当者は自分の商談のみ更新できる
・営業責任者は全部署の分析を閲覧できる
・経理担当者はBooksのみ利用できる
・AIが実行できる処理を制限する

Zoho CRM MCPであれば、既存のCRM権限を活用しやすいため、比較的シンプルに整理できます。

一方、Zoho MCPでは、営業、経理、サポート、プロジェクト管理、さらには外部サービスまでAIが横断する可能性があります。

また、Zoho MCPでは複数メンバーで1つのMCP Serverを利用する「Collaborators」という考え方もあります。

つまり、AIを設定するというより、AIを組織でどのように管理するのかを設計すること。

これが重要になります。

今後は、AIガバナンスという考え方が、中小企業でも必要になってくるかもしれません。


ワックアップが考える現実的な進め方

私たちは、最初から会社全体をAI化する必要はないと考えています。

むしろ、次のような段階的なアプローチが現実的ではないでしょうか。


まずはZoho CRM MCPによって、営業活動や顧客管理のAI活用を体験する。

その後、BooksやLINE、Microsoft 365、kintoneなどへ活用範囲を広げ、最終的には会社全体をAIエージェントでつないでいく。

私たちは、このステップが中小企業にとって最も現実的な進め方だと考えています。


まとめ

Zoho CRM MCPは、「CRMをAIで使うための仕組み」です。

そしてZoho MCPは、「会社全体のシステムをAIでつなぐための基盤」と言えるでしょう。

LINE、Microsoft 365、Google Workspace、kintone、基幹システムなども含めてAIエージェントを構築できる可能性を持つことは、Zoho MCPの大きな魅力です。

一方で、AIが複数のシステムを横断するようになると、新しい課題も見えてきます。

例えば、AIは誰の権限で動くのか、複数の社員でどのように利用するのか、AIにどこまで実行権限を与えるのか、といった問題です。

AIを個人で利用するのと、組織で利用するのとでは、考えるべきことが大きく変わります。

私たちは、これからのAI活用では「何ができるか」だけではなく、「どのように安全に運用するか」という視点もますます重要になっていくと考えています。



次に読む記事


AIが会社全体のシステムを横断できるようになると、次に気になるのは、

「AIは誰の権限で動くのか?」

という問題ではないでしょうか。

Zoho MCPには、複数のメンバーでMCP Serverを利用するための「Collaborators」という考え方も用意されています。

では、営業担当者と経理担当者では、AIに見せてよい情報は同じなのでしょうか。AIはどこまで実行権限を持つべきなのでしょうか。

次の記事では、「AIは誰の権限で動くのか?Zoho MCPのCollaboratorsとAIガバナンスを考える」

をテーマに、AI時代の新しい権限管理と組織運用について、もう少し踏み込んで考えてみたいと思います。


▶️ AIは誰の権限で動くのか?Zoho MCPのCollaboratorsとAIガバナンスを考える

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ワックアップは、横浜・沖縄を拠点に、中小企業・店舗のデジタル化を支援するDXソリューションカンパニーです。

特に沖縄地域においては、クラウド活用や情報共有基盤の整備、顧客データ活用など、地域企業に寄り添ったDX支援にも積極的に取り組んでいます。

ポイント統合・交換サービス「Point Hub」、会員アプリ「ワックアプリ」、LINE公式アカウント連携サービス「LINE Hub」、など、顧客とのつながりを深める独自のサービスを提供しています。

また、Zoho公式パートナーとして、CRM(顧客管理)やマーケティングオートメーションを中心とした「Zoho導入・運用支援」も行い、企業の業務効率化や情報基盤整備、データ活用をサポートしています。

地域企業に寄り添いながら、“現場に定着するDX”を支援しています。




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