1. ユーザーの行動を「見える化」するヒートマップ機能

「訪問者はどこを見ているのか」「なぜここで離脱するのか」を感覚ではなくデータで理解する――それがZoho PageSenseの出発点です。

• クリックヒートマップ
  ページ上のどの部分がよくクリックされているかを色の濃淡で可視化します。想定していない場所がクリックされていれば、デザイン上の誤解や導線の問題が明らかになります。

• スクロールマップ
  ページのどこまでスクロールされているかを可視化。読まれないエリアを発見し、重要情報の配置を見直すことができます。

• アテンションマップ
  訪問者がマウスを動かした位置を基に、視線の動きを推定します。ファーストビューの設計やCTA（行動喚起ボタン）の位置調整に役立ちます。

こうしたデータを活用すれば、「どの部分が注目されていないのか」「どこで離脱しているのか」を正確に把握し、サイト改善の具体的な方向性を導き出せます。

2. 成果を高めるA/Bテストとパーソナライズ

PageSenseは、サイトを“感覚”ではなく“実証”で改善するためのツールです。

• A/Bテスト
  ページのデザイン、ボタンの色、キャッチコピーなど、異なるバージョンを複数用意し、どれが最も成果を上げるかを自動で検証します。
  結果はリアルタイムで分析され、統計的に有意な差を判断。データに基づいた意思決定が可能になります。

• スプリットURLテスト
  既存ページと新しいデザインを別URLで比較することも可能。リニューアル時の効果測定に最適です。

• パーソナライズ機能
  訪問者の属性（地域・デバイス・流入経路など）や過去の行動履歴に基づいて、ページ内容を自動で最適化。
  例えば「沖縄エリアのユーザーには店舗キャンペーンを表示」「リピーターには特別割引を提示」など、1人ひとりに合わせた体験を提供できます。

これらの機能により、サイト訪問者が「より自分に合った」コンテンツを体験できるようになり、自然とコンバージョン率が向上します。

3. データ分析と改善をワンストップで

Zoho PageSenseの強みは、「測定」「分析」「改善」「検証」をすべて一つの画面で完結できる点です。

• ファネル分析（行動経路分析）
  訪問から購入・問い合わせまでの流れを段階的に可視化し、どのステップで離脱が多いかを特定します。
  例えば、フォーム入力ページで離脱率が高ければ、入力項目を減らす・CTAボタンを変更するなどの対策が立てられます。

• ポップアップ＆通知バナー
  訪問者の行動に合わせて、タイミングよくメッセージを表示できます。
  「離脱しそうなユーザーにクーポンを提示」「滞在時間が長い訪問者に資料請求を促す」といった仕掛けが可能です。

• リアルタイムレポート
  すべてのテスト結果や行動データをリアルタイムで表示。改善の効果を即座に確認し、次の打ち手へスピーディに移れます。

PageSenseは、単なる分析ツールではなく「改善を回すためのエンジン」として機能します。

4. Zohoサービスとの連携で広がる活用

Zoho PageSenseは、他のZohoアプリと連携することで、マーケティングから営業までの一連のプロセスをつなげられます。

• Zoho CRMとの連携
  フォーム送信やボタンクリックなど、コンバージョンデータをCRMに自動登録。営業部門が即座にフォローできます。

• Zoho Campaigns連携
  ページ訪問やクリック行動をトリガーに、フォローアップメールを自動送信。離脱した見込み客を再度呼び戻すことも可能です。

• Zoho LandingPage連携
  広告着地ページの成果をPageSenseで分析し、より効果的なLP構成を導き出せます。
  Zoho Marketing Automationと組み合わせれば、流入からリード育成までのシナリオを自動化できます。

• Google Analytics・Tag Managerとの統合
  既存の計測環境と併用可能で、データを一元的に扱えます。

これにより、「施策→分析→改善→営業アクション」という一連の流れがZoho内で完結します。

5. 活用シーンの一例

• ECサイトの購入率改善
  カート離脱が多いページをヒートマップで分析し、購入ボタンの位置や文言を改善。A/Bテストで成果を数値化。

• BtoBサービスの資料請求率アップ
  CTAのデザインや訴求メッセージをテストし、最も高い反応を得た構成を採用。PageSense経由でCRM登録まで自動化。

• 採用サイトの応募率向上
  スクロールマップを基にエントリーフォームを上部に配置。滞在時間が長い訪問者に「応募はこちら」ポップアップを表示。