Zoho SalesIQ ― Webサイト訪問者をリアルタイムで接客

多くの企業がWebサイトを持っていますが、それを「営業の最前線」として活用できている企業は意外と少ないものです。訪問者の多くはサイトを見て去っていくだけで、誰がどんな目的で訪れたのかを把握できず、商談につながることもありません。

Zoho SalesIQは、Webサイトを「情報発信の場」から「営業の現場」へと変えるツールです。サイト訪問者をリアルタイムで可視化し、最適なタイミングで声をかけ、チャットを通じてコミュニケーションを深めることができます。まさに、実店舗でスタッフがお客様に声をかけるように、オンラインでも質の高い接客ができるのです。

1. Webサイト訪問者を「見える化」する

従来、Webサイトに誰が訪れているかを把握するにはアクセス解析ツールに頼るしかありませんでした。しかし数字の羅列では、営業に直結する「個別の顧客像」を掴むのは困難です。

Zoho SalesIQでは以下のように、訪問者の行動をリアルタイムで追跡・可視化できます。

• リアルタイム追跡
  誰が、どのページを、どれくらい閲覧しているのかを即時に把握できます。
• 訪問者の詳細情報
  会社名や所在地、過去の訪問履歴など、匿名だった訪問者の情報を特定できます。
• 関心の可視化
  製品ページを繰り返し閲覧している、料金ページを長く見ているなど、興味度合いをスコアリングで数値化できます。

この仕組みにより「この訪問者は製品Aに強い関心を持っている」という仮説が立てやすくなり、効率的にアプローチできます。

2. 最適なタイミングで声をかける「自動トリガー」

SalesIQの真価は「ただ待つ」のではなく「こちらから仕掛けられる」点にあります。

あらかじめルールを設定することで、訪問者の行動に合わせて自動的にチャットを開始できます。例えば：

• 料金ページを30秒以上閲覧している訪問者 → 「プラン選びでお困りですか？」とポップアップ表示。
• 特定製品ページを複数回訪れた訪問者 → 「この製品について詳しいご案内が必要ですか？」と声をかける。

こうした能動的なアプローチにより、Webサイトは受け身の「問い合わせ窓口」から、積極的に営業機会を生み出すチャネルへと進化します。実店舗でスタッフが「試着されますか？」と声をかけるのと同じように、訪問者の状況を見極めて提案できるのです。

3. 営業チームと連携する「ライブチャット」

SalesIQのチャット機能は、単なるQ&A対応にとどまりません。営業チーム全体で顧客対応を強化できるよう設計されています。

• チーム内連携
  進行中のチャットを別の担当者に引き継いだり、裏でメモを共有したりできます。
• チャット履歴の自動保存
  すべての会話はZoho CRMに記録され、後の営業活動に役立ちます。
• CRM連携による判別
  相手が既存顧客か新規かを瞬時に見分け、対応を切り替えられます。

例えば「すでに見積依頼をしている顧客」なら詳細説明を、「まだ情報収集中の見込み客」なら製品概要を、といったように一人ひとりに最適な対応が可能です。

4. AIと自動化で接客をさらに効率化

SalesIQにはAI機能も搭載されており、チャットボットとして定型的な質問に自動回答することができます。営業時間外の対応や一次受付を自動化することで、人が対応すべき案件に集中できる環境をつくれます。

さらに、訪問者の行動を学習してスコアリングし、優先度の高い見込み客を営業担当に通知する、といった自動化も可能です。

5. 活用シーンの具体例

• BtoB企業
  製品ページを何度も訪れる訪問者に自動で営業担当が接続。ホットリードの取りこぼしを防止。
• ECサイト
  カートに商品を入れたまま離脱した訪問者にクーポンを提案。購入率を改善。
• 教育機関
  オープンキャンパス情報を閲覧している学生に、担当者が即時チャットで案内。参加率を向上。