
ポイントを貯めて交換する――この行動は、ただのお得活動ではありません。
「いつ、何に、どこで交換されるか」という“使い方”には、顧客の価値観や行動傾向、そして“次に何をしようとしているか”という意思が表れています。
たとえば、交換のタイミングには以下のような傾向があります:
- すぐに交換する人:即時性重視タイプ。「早く得したい」「失効前に使いたい」
- 一定の目標まで貯めて交換する人:計画的で、ブランドへの期待値が高い
- なかなか使わない人:交換先の魅力や分かりやすさに課題がある可能性
また、何と交換するかによっても、その人の嗜好が見えてきます。
- 汎用的なデジタルギフト:利便性重視。とにかく実用性
- 自社限定グッズや商品券:ブランドへの愛着が強い
- イベントや抽選特典:体験や特別感を重視する
- 寄付や社会貢献型:理念共感型
そしてもうひとつ、見逃せないのが「どこで使われたか」という視点です。
Point Hubでは、店舗・EC・アプリ内など用途別にポイント交換が可能です。
その交換先によって、次の行動予測が立てられます:
- 店舗で貯めたポイントをEC用に交換:次はECでの購入を検討している可能性が高い
- ECで貯めたポイントを店頭用ギフトに変えた:実店舗での体験を求めているかも
- アプリ内で交換した:スマホベースで完結したいライトユーザー
このように、交換という行為自体が、行動転換の“兆し”になるのです。
さらに重要なのが、交換という事実だけでなく、その前後の行動をどう読み取るかという視点です。 たとえば:
- 交換前にアプリを頻繁に開いていた → 迷っていた?比較中?
- 他ブランドのポイントに交換 → ロイヤルティの分散?
- 失効直前にまとめて交換 → 忘れていた?通知の有効性?
こうした動きは、たとえ詳細な個人情報や購買履歴を持たなくても、IDベースでポイントの移動を追うだけで可視化できる貴重なヒントになります。
Point HubをZoho CRMのような外部ツールと連携して詳細に分析することによって、これらの兆しを販促や接客の改善に活かすことができます。
つまり、ポイントは単なる報酬ではなく、「顧客を知るための動的データ」なのです。
次回は最終回として、こうした日々の行動の積み重ねが、どのように顧客との信頼を育て、「つながり続けるブランド」へと導くのかを描いていきます。