第8回:導入事例から学ぶ!Point Hubが実現したOMOの現場

2025/06/16 10:27
これまでのコラムでは、OMOの基本的な考え方や、Point Hubを活用したポイント共通化の意義、そして施策設計の方法についてお伝えしてきました。 
では実際に、Point Hubを導入した企業や店舗では、どのような変化が起きているのでしょうか。 
今回は、実際の現場での導入事例を通じて、「何がどう変わったのか」をご紹介します。


事例①:複数店舗でのポイント共通化が回遊を促進(飲食チェーン)
ある飲食チェーンでは、これまで店舗ごとに異なるスタンプカードを発行していました。 
顧客の利用状況は各店舗でしか把握できず、「系列店をまたいだ利用」はまったく促進できていない状態でした。
そこで、Point Hubを導入し、全店舗共通で使えるデジタルポイントシステムを構築。 
スマートフォンアプリと連動させることで、来店ごとにポイントが付与され、どの店舗でも使える仕組みに移行しました。

導入後の成果:
•顧客の系列店間の利用率が大幅に増加
•店舗ごとのポイント残高管理の業務が大幅に軽減
•共通化されたポイントがキャンペーンや通知の起点になり、販促施策の効果も向上
“どの店舗に入っても自分のポイントが使える”という安心感が、顧客の再来店と回遊を促す要因となりました。


事例②:ポイント交換で「再来店のきっかけ」を生んだ地域店
ある地域密着型の雑貨店では、近隣の飲食店と連携して「ポイント交換型の特典企画」を実施しました。 顧客は、雑貨店で貯めたポイントを、提携カフェで使えるギフトチケットに交換できるという仕組みです。
結果として、
•雑貨店の常連が、初めてカフェを利用するきっかけに
•カフェ側でも、ギフト交換を通じて新規客が増加
•「交換特典の受け取り」による2回目・3回目の来店が自然に発生
この事例では、「交換できる」という仕組みが、単なる来店インセンティブではなく、“別の体験につながるきっかけ”になった点が特徴的です。 
Point Hubの柔軟な交換機能により、異業種間の送客が自然な流れで実現した好例です。


事例③:社内ブランド間でのポイント統合による顧客理解の第一歩
ある小売グループでは、異なる業態(アパレル、コスメ、雑貨など)を複数展開していましたが、ポイント制度はブランドごとに独立していました。 
そのため、顧客がどのブランドにどのように関与しているかを把握する術がありませんでした。
Point Hub導入後、すべてのブランドで共通ポイントを発行・使用できるよう統合。 アプリ上で残高・利用履歴を確認できるようになり、以下の変化が起きました:
•複数ブランドの利用者が増加(1ブランド→2ブランド利用率が大幅増加)
•ブランド横断のキャンペーン設計が容易に
•外部のCRMやBIツールと連携するための「共通ID基盤」が整った
このように、ポイントの共通化は、「顧客理解」の起点にもなり、今後のOMO戦略に必要な土台づくりとして機能します。

成功事例に共通する3つのポイント:
1.まずはポイントを共通化し、使いやすくすること
2.交換や連携先を工夫することで“次の行動”をつくること
3.必要に応じて他ツールと組み合わせ、拡張していくこと

Point Hubは、「ポイントの仕組みを起点にOMOを組み立てていける」柔軟な土台を提供しています。

次回は、こうした実践事例を踏まえ、チャネルやデータが分断されがちな現場で「どうやって接点を統合していくか」という課題とその具体策を掘り下げていきます。