第6回:こうして始める!中小店舗のためのOMO設計図

2025/06/05 18:30
「OMO(Online Merged Offline)に取り組みたいが、何から始めればいいのか分からない」 「大きな投資やシステム開発が必要では?」 こうした不安を抱える中小店舗や多店舗事業者の方は少なくありません。

しかし、実際には段階的かつ小さな一歩から始めることが可能です。 
とくにPoint Hubのような「ポイント統合プラットフォーム」を起点にすれば、自然な流れでOMOの土台を築いていくことができます。

まず、OMO導入のスタート地点としておすすめしたいのが、「アプリによるデジタル会員化」です。 弊社では、こうしたアプリを簡単に導入できるサービス「ワックアプリ」も提供しています。 

紙のスタンプカードや店頭での口頭登録だけでは、顧客情報は断片的なままです。
Point Hubでは、アプリにポイント機能を組み込むことで、会員登録とポイント管理を同時に行える仕組みを提供しています。 
アプリでの会員登録は、
  • 顧客の識別(会員IDの発行)
  • アプリ通知による接点の維持
  • ポイント付与の動機付け 
以上の3点を同時に満たすため、OMOの“入口”として最適です。

次のステップは、複数のチャネル・店舗間でポイントを共通化することです。 
この段階で、実店舗・EC・系列ブランド・期間限定イベントなど、異なる接点を共通IDでつなぐ基盤が整います。 
この仕組みにより、たとえば:
  • ECで商品を購入してポイントを貯め、実店舗で使用
  • 複数の系列店を横断してポイントを共通管理
  • アプリ通知から特定店舗への送客を促進 
といった、行動の循環が自然と生まれていきます。
「貯めやすく、使いやすい」共通ポイント制度があることで、顧客の利便性が高まり、結果として接触頻度も増加していきます。

Point Hubでは、さらに他ブランドや他業態とのポイント交換も可能です。 
これにより、
  • 異なる事業者間での相互送客
  • ブランド間の連携による販路拡大
  • 地域や商圏をまたぐ「広域的な回遊設計」 
といった施策も視野に入ります。

こうしてポイントを起点に“接点の統合”が進んできたら、次に目指すのは行動データの活用です。 
Point Hub単体では高度な顧客管理機能は備えていませんが、必要に応じてZoho CRMなどのSFA/CRMやマーケティングツールと連携が可能です。 
これにより、外部システムを活用しながら:
  • ポイント利用履歴に基づいたセグメント設計
  • 来店・購買状況に応じたクーポン配信
  • 特定行動を起点としたフォローメールや通知 
といった「顧客行動に基づく施策」も実現できます。

ただし、ここまで来るにはまずアプリ導入 → ポイント共通化 → 接点拡大というステップを踏むことが大前提です。 
OMOは、最初から完成された大規模システムを目指す必要はありません。 
むしろ、現場で使える仕組みから徐々に拡張していく方が、定着しやすく、効果も見えやすくなります。

Point Hubは、その“無理のない進め方”を前提に設計されており、最小構成からスタートできる柔軟性があります。

次回は、こうした仕組みを活かして「施策を打ちっぱなしにしない」——つまり、効果を測定し、次に活かすというOMOマーケティングの考え方についてご紹介します。