第5回:顧客を“動き”から理解する:交換履歴が教えてくれること

2025/06/01 11:30
OMOを進めるうえで欠かせないのは、「顧客がどこで・なにをしたか」を把握することです。 
実店舗での来店、ECでの購入、アプリでのクーポン利用――それぞれの行動が別々に記録されていては、顧客の全体像が見えず、効果的なアプローチも難しくなります。

Point Hubが提供するのは、こうしたバラバラな顧客行動を、「ポイント」という共通言語でつなぐ仕組みです。

実店舗、EC、複数の系列ブランドなどで、それぞれ異なるポイント制度を運用していると、顧客にとっても運営側にとっても管理が煩雑になります。
Point Hubでは、これらのポイントを共通IDで一元管理することができるため、どこで貯めても、どこで使ってもよいという、シンプルで分かりやすい顧客体験を実現できます。

この「共通ID」が、顧客のさまざまな行動をつなぐ軸になります。
たとえば:
  • 実店舗で購入し、ポイントを貯める
  • アプリで残高や履歴を確認
  • ECサイトでポイントを使って購入
  • キャンペーンや限定クーポンに参加してポイントを交換
こうした行動が、“ひとりの顧客”にひも付いて蓄積されることが、OMOの入り口になります。

さらに、Point Hubを他のCRMやマーケティングツールと連携することで、より高度な活用が可能になります。 
たとえば:
  • 一定期間来店していない顧客に、ポイント付与のお知らせを送信
  • 他ブランドのポイントしか使っていない顧客に、別店舗利用を促す通知
  • 貯めたまま使われていないポイントを可視化し、利用促進施策を設計
こうした取り組みは、「見えなかった来店」や「把握できなかった離脱傾向」を、ポイントの動きから間接的に読み取るという点で非常に有効です。

さらに、Point Hubのもう一つの大きな特徴が、ポイントの“交換”を可能にする設計です。 
たとえば:
  • グループ内の他ブランドとポイントを共通化する
  • 別業態(例:カフェと雑貨店)でも、共通ポイントとして使えるようにする
  • 特定ポイントを別のギフトや金券と交換可能にする
こうした連携により、顧客は「使いやすさ」を感じ、ブランド間の回遊が促進されていきます。 
同時に、事業者側には「どの接点で貯めて、どこで使っているか」という行動傾向が見えてくるのです。

このように、ポイントの統合・交換を通じて、顧客の動きがつながることこそが、OMOにおける“見える化”の第一歩です。
ポイントというインセンティブは、単に来店を促す道具ではなく、顧客と長期的な関係を築くための“接着剤”です。 

Point Hubは、こうした接着剤を「共通化し、流通させ、使いやすくする」ための基盤を提供しています。

次回は、こうした仕組みをどのように段階的に整えていけばよいのか。中小規模の店舗や事業者でも実現可能な、Point Hubを使った現実的なOMO設計ステップをご紹介します。